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看板で「誰」にメッセージを伝えますか?|看板に入れる内容のはなし
こんにちは、ブランド・マネージャー 兼 広報のはるちゃんです。
サインブランディングの価値を、本の言葉を借りてご紹介します。
看板の本当の価値に気づいてもらえるきっかけになればうれしいです。
突然ですが、あなたは誰にどんなメッセージを伝えたいですか?
“
小さな会社は、「より多くの人に伝えたい!」という想いからか、大勢に向けてメッセージを発する傾向にあります。
その結果、ありきたりで力の弱いメッセージに留まってしまうことが少なくありません。
メッセージを発信するときは、想定する「世界でたった一人のお客さま」に向けてつくれば、それで十分です。おのずと、そのメッセージは、市場に存在する同じような他の大勢のお客さまの心を揺さぶる、力強いメッセージになります。
“
(本文120ページから引用)
上の言葉は、この本の一文です。
小さな会社のブランド戦略/著・村尾隆介
小さな会社のブランド戦略 「生き方」と「働き方」が一致するビジネスモデル
この本を手に取った理由は、「生き方」と「働き方」が一致している、そんなかっこいい大人になりたい!と思ったことです。噛み砕いた文章で書かれていて、スラスラと読めました。
小さな会社のビジネスモデルの紹介とともに、「生き方」と「働き方」が一致している経営者の発想や考え方から、実際のブランドづくりがイメージできる内容が書かれています。
2008年の本ですが、ブランディングに関する根本的な考え方や仕組みは変わらないものだと感じました。
看板となんの関係があるの?
想いを込めすぎて、メッセージの力が弱まってしまうのは、看板あるあるなんです。
「多くの人に伝えたい!」という一心で、ひとつの看板に情報を詰め込んで、情報がぐちゃぐちゃになってしまっている看板がとても多いです。
看板は世の中にメッセージを伝えるもの。
とは言っても、説明多すぎて逆にようわからんことになってない?
この看板をぱっと見て、あなたにはどのメッセージが伝わりましたか?
・屋号
・営業時間
・定休日
・業種
・検索バー
・コピー
・電話番号
・URL
・売り文句
ひとつの小さな看板に、これだけ多くの情報が詰め込まれています。これでは、誰に対して何を伝えたいのかわかりません。
オーナーさんの「どれも大事な情報やから削られへん!」という気持ちは痛いほどよくわかりますし、「削ればいいのはわかっているけど、何を削ればいいのかわからない」オーナーさんも多いと思います。
しかしこれでは、勿体無い!
看板には、サイズや設置する場所によって、伝えるのに効果的なメッセージや適切な情報量があるんです。実際の事例と一緒にご紹介します。
ブランド名を知っている人に、存在を伝える看板
ブランド名・屋号がもっとも伝えたいメッセージです。
このパターンは、すでにブランド名が知れ渡っている企業(コンビニチェーンや)などに多いです。
また、イメージアップや、ブランドの存在を知ったうえで訪れた人への発見を促すのに有効です。(大阪府堺市・サービス付き高齢者向け住宅 永幸苑)
遠くから見た人に、業種を伝える看板
この店舗が「居酒屋」であることが、もっとも伝えたいメッセージです。
遠くから見ても業態がわかるように「居酒屋」の文字を屋号と同じサイズにレイアウトして、認知させることで集客につなげます。(大阪府大阪市・居酒屋匠)
シンボルから、イメージを想像させる看板
この店舗が「鶏料理のお店」であることが、もっとも伝えたいメッセージです。
鶏専門の飲食店であることと、ひと目では読みにくい店名をニワトリのイラストで表現し、お店のシンボルとして光る看板にすることで、アイデンティティの表現と認知・集客につなげます。(大阪府岸和田市・焼肉スタイルの鳥焼き 舌好鳥)
訪れた人に、必要情報を伝える看板
「駐車場はここですよ」が、もっとも伝えたいメッセージです。
駐車場入口に「P」を一番目立たせた自立のポール看板を設置することで、駐車場入口の場所を知らせる目印になります。店名は補足として表示しています。(大阪府和泉市・辻本珈琲)
◆
ご紹介した、看板が伝えるメッセージは、ほんの一部にすぎません。店舗の立地や看板のサイズ、オーナーさんが表現したいことや、メッセージを届けたいターゲットによってさまざまな意味を持たせることができます。
まとめ
どこに、誰に向けて、どんな情報を看板に入れるのか。
ターゲットに好まれる色やデザインはどんなものなのか。
そもそも、ターゲットは誰なのかという部分まで、看板を新しくするタイミングで立ち返って帰ってみることも大切です。
大阪の看板は「派手」「仰々しい」「うるさい」「やかましい」という印象を持っている人が多いと思います。オーナーさんの「自分のビジネスをもっと多くの人に伝えたいんや!」という強い思いが看板にあらわれている結果、そのような看板が多いのだと思います。
しかし、派手な看板は嫌だからといって情報を削りすぎた結果、何屋なのかわからず看板が効果を発揮できなくなってしまうのは本当に勿体無いことだと思います。
いかに発信するメッセージを選ぶかがキーになります。
世の中に発信するメッセージ=サインを一緒に探すのがサインブランディングです。
お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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